閉鎖生態系の脅威『葛西水族館に見る地球滅亡の危機』

文:海洋文化資源研究所 主席研究員 宮田昭男

大都市東京を支える東京湾、その東京湾の最も奥に、マグロの回遊水槽で知られる『葛西臨海水族園(通り名は、葛西水族館)』があります。海と人間の交流の場を目指して1989(平成元年)年に開館しました。
長い間、マグロの回遊で多くの利用者に勇壮な海の中のドラマを提供してきましたが、2014年2月25日、兼ねて から心配されていた葛西水族館の回遊水槽の中のマグロがたった2匹となってしまいました。この水槽の中には、 クロマグロ、スマ、ハガツオの3種類の大型魚がそれぞれ50匹前後、計150匹前後飼育されていました。1月 14日突然その飼育魚が50匹に減少したのです、水族館で は原因究明とともに各種の対策をとっていましたが、結局 2月25日時点でたった2匹にまで減少してしまったとのこと。 原因としては、5つ考えられると言う専門家の意見があります。

 1 「びっくりして、『狂奔遊泳』によって、群れ全体がパニック状態に陥り、魚同士や水槽の内壁への衝突死!

 2 2014 年 12 月 10 日から現在にかけて、マグロがいる水槽の近くで工事をしているというが、その音や振動 が、魚のストレスになった可能性もあるという。ストレス死!

 3 大量に死亡する前「スマ」という回遊魚を新たに3 0匹余り、同じ水槽で飼育を始めたということで、この際にウィルスなどが持ち込まれた。ウィルス感染死!

 4 東北地方太平洋沖地震の前にもイルカの大量死があった。地震の前兆が生き物の大量死と関係する科学 的根拠は分かっていないが、地震の前に発生する電磁 波がイルカやマグロなどに影響を与える可能性がある とする研究者もいる。大地震の前兆死!

 5 エサがベータ崩壊するストロンチウム 90 に汚染され ていて、それが骨に蓄積されて骨折の原因になったと言う、えさの放射能汚染死!等があると言われている。

このように5つほどの要員が考えられていますが、人気の施設だけに一日も早い原因究明と対応を祈る。 今回の葛西水族館の出来事は、水族館の水槽のよう な環境に何らかの小さな外的要因(内的?)が加わると、 全体の異常につながる閉鎖生態系の怖さを表している。 地球という宇宙に浮かんだ小さな閉鎖生態系に暮らす人間にとって人ごとではあり得ない。水槽の中のマグロとならぬように!!