Blue Seafood Guide
地球温暖化による海水温上昇や乱獲、IUU漁業(違法(Illegal)・無報告(Unreported)・無規制(Uregulated))が原因で枯渇する魚介類が増えています。国連機関のFAOによると、持続可能に漁獲されていない資源は全体のおよそ35%であると述べています。*1日本の水産資源の状態はさらに深刻で、全体の45%の水産物の持続可能性が心配されています。*2
しかし、適切な管理漁業によって激減した魚の資源も回復することが知られています。たとえば、絶滅危惧種に認定されていた大西洋クロマグロや太平洋クロマグロも、国際機関であるRFMOs*3を中心に、各国が協力して科学的根拠に基づいた厳しい漁獲管理を進めた結果、短期間で資源量の回復に成功したことが報告されています。
ブルーシーフードガイドは持続可能な水産物を優先的に消費することにより、水産業全体を支援しながら枯渇した水産資源の回復を促進するという考え方に基づいています。おすすめのシーフードのみをリストすることによって、楽しみながら資源を守り、持続可能性を高めることができる、ポジティブなガイドなのです。
FAOの「責任ある漁業のための行動規範」を原則に、国際基準にあわせて科学的に定めた独自のメソドロジーに基づき、持続可能な水産物を選択しています。国連が提唱する、持続可能な開発目標」SDGsの14番「海の豊かさを守ろう」に賛同し、持続可能な社会の実現を目指します。ブルーシーフードガイドは、国連による「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」の先進事例に選出されています。*4
「おいしく、たのしく、地球にやさしく。」をモットーに、一人ひとりが楽しみながら持続可能な選択ができるための、知識と情報を提供しています。未来を生きる子供たちに健康な海を受け渡せるよう、豊富でおいしく、地球にやさしいブルーシーフードを優先的に選び、海に休息を与えましょう。
*1 FAO (Food and Agriculture Organization of the United Nations) https://www.fao.org/documents/card/en?details=cc0461en
*2 水産庁 https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R4/
*3 RFMOs (Regional Fisheries Management Organizations) https://www.un.org/oceancapacity/content/rfmoas-map
*4 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年 https://oceandecade.jp/ja/refs/activity/ver1/productive-ocean/2/
ブルーシーフードの選定基準
ブルーシーフードの選定基準は次のとおりです。いずれも持続可能性を証明するための原則、1資源状態、2生態系への影響、3管理体制を科学に基づき厳正に審査しています。1 ブルーシーフードチョイスのサステナビリティ評価基準で合格した魚介類
2 米国モントレーベイ水族館発行のSeafood WatchでBest Choiceに選ばれた魚介類のうち、日本で手に入るもの
3 MSC(Marine Stewardship Council・本部/イギリス)の漁業認証を取得した漁業による魚介類のうち、日本で手に入るもの
4 ASC(Aquaculture Stewardship Council・本部/オランダ)の養殖認証を取得した養殖場による魚介類のうち、日本で手に入るもの
※セイラーズフォーザシーは水産資源評価で世界的に高い評価の、米国モントレーベイ水族館Seafood Watch のオフィシャルパートナーです。
※ブルーシーフードガイドは、世界中の代表的な水産物のレーティング(格付け)プログラムで構成される、GSRA(グローバル・シーフード・レーティングス・アライアンス)のチャーターメンバーです。GSRAではMinimal Viable Standardが設定されており、評価基準の最低ラインの統一がなされています。GSRAに加盟するレーティングプログラムは、国連FAOが提唱する「責任ある漁業のための行動規範」に従った原則に準拠し、各国のプログラムで合意し、統一した国際基準を満たすこととしています。
Blue Seafood Guide 2024
- Albacore
- ビンナガ
- 日本で獲れる 明豊漁業・石原水産・尾鷲物産・高知&宮崎一本釣り
- Skipjack
- カツオ
- 日本で獲れる 明豊漁業・石原水産・高知&宮崎一本釣り|日本産
- Yellowfin tuna
- キハダマグロ
- 日本で獲れる 尾鷲物産
- Northern bluefin tuna
- 大西洋クロマグロ
- 日本で獲れる 臼福本店
- Bigeye tuna
- メバチマグロ
- 日本で獲れる 尾鷲物産
- Japanese amberjack
- ブリ(養殖)
- 日本で獲れる Global Ocean Works・黒瀬水産・マルハニチロ・東町漁協
- Greater amberjack
- カンパチ(養殖)
- 日本で獲れる マルハニチロ
- Japanese sardin
- マイワシ
- 日本で獲れる 道東・三陸・常磐産
- Atlantic herring
- タイセイヨウニシン
- Sprat
- ヨーロピアンスプラット
- Sailfin sandfish
- ハタハタ
- 日本で獲れる 北陸・近畿・山陰産
- Red seabream、Red snapper
- マダイ(養殖)
- 日本で獲れる 株式会社ダイニチ、熊本県海水養殖漁業協同組合
- Capelin
- カラフトシシャモ
- |アイスランド産
- Alaska Sole
- ヒラメ・カレイ類
- |アラスカ産
- Gray cod
- マダラ
- |アラスカ産
- Sabelfish
- ギンダラ
- |アラスカ産
- Alaska pollack
- スケトウダラ
- |アラスカ産
- Pollock
- シロイトダラ
- Hoki
- ホキ
- |ニュージーランド産
- Hake
- ヘイク
- Pink salmon
- カラフトマス
- |アラスカ産
- Coho salmon
- ギンザケ(養殖)
- 日本で獲れる マルキン・弓ヶ浜水産
- Chum salmon
- シロサケ
- |アラスカ産
- Sockeye salmon
- ベニザケ
- | |アラスカ産
- Atlantic salmon
- アトランティックサーモン(養殖)
- Salmon trout
- サーモントラウト(養殖)
- 日本で獲れる 日本サーモンファーム・FRDジャパン
- Atka mackerel
- シマホッケ
- Rose fish
- タイセイヨウアカウオ
- |アイスランド産
- Pacific Ocean perch
- アラスカメヌケ
- Pangasius
- パンガシウス(養殖)
- Barramundi
- バラマンディ(養殖)
- Tilapia
- ティラピア(養殖)
- Alaska pollack roe
- たらこ(スケトウダラの卵)
- |アラスカ産
- Ikura
- いくら(シロサケの卵)
- Lumpfish caviar
- ランプフィッシュ
- Whiteleg shrimp
- バナメイエビ(養殖)
- Brown tiger prawn
- オーストラリアタイガー
- Black tiger prawn
- ブラックタイガー(養殖)
- Northern shrimp
- アマエビ
- 日本で獲れる |北陸産・近畿産
- Lobster
- アメリカンロブスター
- Snow crab
- ズワイガニ
- 日本で獲れる アラスカ産| |北陸・近畿産
- Northern shortfin flying squid
- カナダマツイカ
- Mussel
- ムール貝(養殖)
- | |
- Surf clam
- カナダホッキ貝
- lyrate Asiatic hard clam
- ミスハマグリ(養殖)
- Scallop
- ホタテ
- 日本で獲れる |北海道漁連
- Abalone
- アワビ(養殖)
- |
- Oyster
- マガキ(養殖)
- 日本で獲れる |邑久町漁協|宮城産漁協戸倉事業所・宮城県漁協石巻3支所
- Japanese littleneck clam
- アサリ(天然・養殖)
- |
- Sugar kelp
- こんぶ(養殖)
- 日本で獲れる |宮城県十三浜
- Wakame
- ワカメ(養殖)
- 日本で獲れる |宮城県十三浜
- Hijiki
- ひじき(養殖)
- 日本で獲れる
- Mozuku
- もずく(養殖)
- 日本で獲れる
- Mirin
- ミリン(養殖)
- 日本で獲れる
- Habanori
- ハバノリ(養殖)
- 日本で獲れる
- Tosakanori
- トサカノリ(養殖)
- 日本で獲れる
- Yumigataogonori
- ユミガタオゴノリ(養殖)
- 日本で獲れる
- Chlorella
- クロレラ(陸上養殖)
- 日本で獲れる ユーグレナ
- Euglena
- ユーグレナ(ミドリムシ)(陸上養殖)
- 日本で獲れる ユーグレナ
- Sujiaonori
- スジアオノリ(陸上養殖)
- 日本で獲れる
ブルーシーフードガイド三重県版
三重県とセイラーズフォーザシーは包括協定を結んでいます。その枠組みでの取り組みとして、日本初のブルーシーフードガイドエリア版を発行しました。ブルーシーフードガイド三重県版については以下のページをご覧ください。→ブルーシーフードガイド三重県版
ブルーシーフードガイド東京都版
東京都とセイラーズフォーザシーは包括協定を結んでいます。その枠組みでの取り組みとして、ブルーシーフードガイドエリア版を発行しました。ブルーシーフードガイド東京都版については以下のページをご覧ください。→ブルーシーフードガイド東京都版
ブルーシーフードガイド広島県版
広島県とセイラーズフォーザシーは連携協定を結んでいます。その枠組みでの取り組みとして、ブルーシーフードガイドエリア版を発行しました。ブルーシーフードガイド広島県版については以下のページをご覧ください。→ブルーシーフードガイド広島県版
- シーフードウォッチ
- Seafood Watch Best Choices
- アメリカ、モントレーベイ水族館による、水産物の持続的消費を促進する権威あるプログラムです。資源量や漁獲方法、海洋環境への影響を評価してシーフードを緑・黄色・赤の3段階に分類し『おすすめ、中間、食べないで』を表現しています。セイラーズフォーザシーはシーフードウォッチのオフィシャルパートナーです。ブルーシーフードガイドには、シーフードウォッチの『おすすめ』から日本で見かけるものを選び掲載しています。
- MSC 海洋管理協議会
- Marine Stewardship Council
- MマークはMSC認証を取得した漁業があることを示しています(日本国内の認証取得漁業のみ名称を記載しています)。MSCは、減少傾向にある水産資源の維持・回復に向け、持続可能な漁業の普及に取り組んでいる国際的な非営利団体です。MSC認証を取得した持続可能な漁業で獲られた証であるMSC「海のエコラベル」のついた水産物を選ぶことが将来の世代まで水産資源を残していくことにつながります。
- ASC 水産養殖管理協議会
- Aquaculture Stewardship Council
- 2010年設立。本部はオランダ。環境負荷を低減し、責任ある養殖水産物の普及に努める国際的な非営利団体です。「海のエコラベル」MSC認証の養殖版がASC認証です。養殖のものはASC認証のついたものを選びましょう。
- ブルーシーフード資源評価
- Blue Seafood Choices
- 2018年よりブルーシーフードガイドは日本の水産資源に対して、漁業の持続可能性を測る国際的な基準をベースにした独自の手法を用いて評価を行い、ブルーシーフードチョイスとしてお勧めしています。日本の海が豊かになればブルーシーフードチョイスも増えていきます。また、2020年からは海外の優良事例も同じ手法を用いて評価し紹介しています。
- 日本の海でも獲れる魚には日の丸がついています。しっかりした漁業管理、資源回復ができれば日の丸のついた持続可能でおいしそうな魚が増えていくでしょう。
- GSRA
- Global Seafood Rating Alliance
- ブルーシーフードガイドは、アメリカのSeafood Watchを筆頭に、ロンドンオリンピックでも採用されたイギリスのMarine Conservervation SocietyやフランスのMr.Good Fishなど、世界の名だたるシーフードレーティングプログラムとアライアンスを組んでいます。GRSAのチャーターメンバーとしてアジア唯一のプログラムを運営し、持続可能なシーフードを推奨していきます。
プリントできるブルーシーフードガイドの案内をご用意いたしました。ご家庭で、教室で、仲間内等でぜひご利用下さい。
Blue Seafood Guideメソドロジーは以下からご参照下さい。